危機管理アドバイザー和田隆昌さん
「しんぶん赤旗 日曜版」2011年08月21日
被災したときに必用なものは、年齢・性別・体力・既往症などによって変わります。わが家ならではのオリジナルなものを用意しましょう。
高齢者・幼児・病人など災害弱者がいる場合は、それに応じた用意をしなければなりません。メガネ・コンタクトを使用している人は、予備のメガネを忘れずに。また、生理用品・おむつ・下着などは被災地で不足しがちになることを覚えておいてください。
持ち出し品は、緊急に持ち出すための1次持ち出し品と、ゆれがおさまってから長期避難のために持ち出す2次避難用品(備蓄なども)に分けておくと便利です。
1次持ち出し品で私がすすめるのは別表(1)の通りです。これは当面必用なものです。重さは5キログラム以下にして、背負って走れる程度に抑えます。
すぐに持ち出せる枕元などに置いておきます。
次に用意するのは、2次避難用品です。別表(2)。これらは、押し入れや倉庫などにまとめておきます。高層マンションに住んでいる場合は、エレベーターがとまり階段利用になりますので、非常食の備蓄は1週間分ぐらいをおすすめします。
持ち出し用品や避難用品の点検は、年に2回するといいでしょう。東日本大震災を契機に3月11日、9月1日(防災の日)を目安にしてはどうでしょう。9月には冬対応で衣類は防寒用になるものを入れます。
「準備は後で」でなく、今すぐとりかかっていただきたいと思います。
(1)非常持ち出し袋に入れておくもの(1次分)
□飲料水(500㍉ペットボトル2本)
□非常食(ゼリー状の食品・菓子類)3日分
□医薬品(消毒薬・三角巾・胃薬など)1週間分
□お薬手帳(投薬履歴のわかるもの)
□簡易食器セット(家族分・プラスチック製)
□衣類(防寒具)
□懐中電灯
□携帯ラジオ・電池(スペア含む)
□現金(数千円~2万円ぐらいを個人で判断。10円硬貨も)
□貴重品(個人の判断で、身分証明書、預貯金通帳、保険証など)
□携帯電話用バッテリー充電器(充電機能のある手巻き式ラジオなど)
□ろうそく・マッチ・ライター
□ロープ
□ビニールシート
□雨具
□ナイフ・はさみ
□タオル(大・小)
□洗面道具(旅行用で可)
□ウエットティッシュ
□ビニール袋(大小3~4枚)
□筆記具(油性マジック、ボールペン)
□コンパス(方位磁石)、地図
(2)2次避難用品(長期避難・備蓄など)
□飲料水(1人1日3リットルが目安。飲用のみで3~4日分)
□非常食(家族が3日間困らない程度) 保存期間が長く火を通さないでも食べられる食品(レトルト食品、インスタント食品、クラッカー、缶詰など安価な日用品)
(おわり)